長野県と沖縄県の男性から見る就業率と平均寿命の関係

私は本当の理由は、長野県の高齢者の就業率にあるのではないかと考えています。

長野県はこれまで、高齢者就業率において都道府県ナンバーワンを何度も記録しています。

総務省統計局発表の最新のデータでも、2017年10月1日現在、高齢者の有業率は長野県の男性が41.6%で全国第1位。女性も21.6%で第1位です。

私は少なくとも男性においては、この就業率の高さが平均寿命の高さに反映していると考えています。家にこもることなく、働くことが運動機能、脳機能の老化を遅らせ、高齢者の寿命を延ばしているのだと考えます。

「働くことが運動機能、脳機能の老化を遅らせ、高齢者の寿命を延ばしているのだと考えます」(イラスト提供:イラストAC)

このことは、沖縄の平均寿命と就業率の関係からも見て取れます。

沖縄県は長寿県のようなイメージがありますが、実際は、女性は長寿ですが、男性の平均寿命は全都道府県中30位以降にあり、全国平均を下回っています。先ほどの厚生労働省の2015年の調査でも、全国36位という下位に位置しています。一方、女性のほうは全国で7位という好位置にいます。

なぜ、沖縄の男性と女性は、ほぼ同じような遺伝子をもち、同様の気候風土のなかで生活しているにもかかわらず、これほどまで平均寿命が違うのか。私はその理由も、就業率に隠されているのではないかと考えています。

沖縄県の男性高齢者の有業率は、全国最下位なのです。このことが、男性の平均寿命を下げている要因のひとつではないかと見ています。