本当の意味での「相談役」のススメ

ただし、歳をとってからの働き方は、若いときのものとは変えるべきだと私は思います。お金や効率だけを求めるような働き方から、自分の経験や知識を生かして、誰かを助け、社会の役に立つということに価値を置いてもいいのではないでしょうか。

「経験や知識を生かして、誰かを助け、社会の役に立つということに価値を置いても」(イラスト提供:イラストAC)

失敗学を提唱する東大名誉教授の畑村洋太郎さんは、今後は定年退職した人が就ける本当の意味での「相談役」というポストを企業はつくったらいいと言っていました。

現在、相談役というと、取締役を退任した人のポストであり、偉そうにしているだけで、本当の相談相手にはなっていません。そうではなく、本当に相談のできる相談役をつくったらどうかという提案です。

定年退職した人がそのポストに就き、仕事上の悩み事、人間関係の悩み、モラハラ、パワハラ問題などを抱えた社員の相談相手になるのです。定年退職をした人ですから、社内の利害関係もありませんし、自分の経験を踏まえて、若い人たちに有益なアドバイスを送ることもできます。

場合によっては、「部長には私から言っておいてあげるよ」などと、これまでの人間関係を生かして、問題を丸く収めることもできるかもしれません。これは働く人たちのメンタルヘルス的にも、とてもいいアイデアだと私も思いました。