ところで仲代さんがお若いころに通い詰め、目標とした欧米の映画スターは誰なのだろう。翳りがあってややハングリーな感じは、アラン・ドロンかな、と思う。

――彼には実際にお会いしたことがあるんですけど、僕はあんな二枚目じゃないですよ。だから僕は女性ファンより男性ファンのほうが断然多いです。

役者になる前は、マーロン・ブランドの大ファンでした。養成所に入ってからは彼のような役者になりたいと思ってた。また、少し渋いところではジャン・ギャバンも目標になってきましたね。

先日、石原慎太郎さんが亡くなられましたけど、僕はデビューがほとんど裕次郎さんと一緒なんです。そのころ慎太郎さんが、「スターと言えるのは弟の裕次郎で、仲代は役者だ」って言った。それ聞いたときは、何言ってんだという気になりましたけど、今になればいいこと言ってくれたと思いますね。

三船敏郎さんにしても東宝専属でしたから、男の色気のイメージをこわさない企画でずうっと通すんですが、僕はどこにも所属してないから、悪役だろうと何だろうとどんどん持ってこられて、百面相の役者だと言われて当時はムカッとしました。でも今思えば役者百面相、結構じゃないか、と思いますよね。

だから人間、年取っていろいろわかることもあるんです。