「人に会うのはなんとなく億劫に感じても、いざ会ってみたらテンションが上がったり、楽しくなったりするという人も少なくない。」(斎藤さん)

人と会うことに苦手意識を抱いている人は多い

斎藤 実は日本人や韓国人には、やや対人恐怖症傾向のある人が一定数いると言われています。でも、人に会うのはなんとなく億劫に感じても、いざ会ってみたらテンションが上がったり、楽しくなったりするという人も少なくない。酒井さんはいかがですか?

酒井 あっ! それはそうです!特にそれほど親しくない人の場合、会う前は気持ちが重いけれど、いざ会うと楽しくなって、「やっぱり実際に会わなくちゃだめね」とか思ったりしています。

斎藤 2020年5月に、「人は人と出会うべきなのか」というテーマでブログを書いたところ、大きな反響がありました。これは、人と会うことに苦手意識を抱いている人は想像以上に多いのだろうと感じる出来事でしたね。ただ、このブログを欧米で公開しても、あまり共感してもらえない気がします。

酒井 どうしてでしょう?

斎藤 欧米にも、人が大勢いる場所を苦痛に感じる社会不安障害の人はいますが、いわゆる対人恐怖はそれほどないようなのです。逆に、人と会えない状況に耐えられない人が多いから、まだ感染が収まっていないのに規制解除を早めている部分もあるのかもしれません。

酒井 欧米の方は、ステイホームやマスクを本当に嫌がりますよね。マスクが一枚あるだけで、人と分断される感覚があるのでしょうか。

斎藤 口もとが見えないことに対する不安感が強い印象があります。

酒井 日本人はマスクがあることで、かえって安心できている人が多い気も。私もいまでは、初対面の人の前でマスクを外すことが、パンツを脱ぐのと同様の感じすらして緊張します……。(笑)

斎藤 よくわかります!(笑)