恋愛格差はますます広がる!?

斎藤 はい。その最たるものが「恋愛」でしょう。

酒井 あ~。確かに、お互いの境界線を越える勢い、一種の暴力性がなければ成立しませんものね。そうなると、コロナ下では恋愛に関して難局を迎えている人が結構いそうですが。

斎藤 私は大学で教えていますが、このコロナ下、修士課程の学生はリモートばかりで、2年間まるまる学校に行けないまま修了を迎えますからね。恋愛や友情を育む機会が激減し、本当に気の毒です。

酒井 でもそんななかでも、恋愛が発生したケースもあるわけですよね。

斎藤 私も驚いたのですが、この状況下でも結構みなさん、出会い系のマッチングアプリを利用して相手を見つけたりしているようなんです。

酒井 活発に活動する人とそうでない人の恋愛格差が、ますます開きそうですね。ところで、授業は対面に戻ってきたのでしょうか?

斎藤 まだ、リモートと対面授業を選択する形式で進めている感じです。意外にも、多くの学生がリモートを選んで学校には出てきませんね。

酒井 私も学生だったらリモートを選びそうです(笑)。というのも、大学を卒業してから3年間だけ会社員をしていたのですが、自分の横や前に先輩社員やら上司やらがいる状況で仕事することが苦痛で、会社を辞めたぐらいなので……。

斎藤 そうでしたか。(笑)

酒井 みなさんとても優しかったのですが、たとえば私が電話で話す声を聞かれるのが恥ずかしいとか、サボっていると思われているんじゃないかなとか、どんどん自意識過剰になってしまって──。リモート勤務ができていたら、会社を辞めなかった気もします。

斎藤 対人恐怖の傾向がある人は、自分の振る舞いや言動がまわりに悪い印象を与えるに違いないと思い込みやすい。それを回避するためにひきこもったり、自分だけの時間が必要になったりするんです。

<後編につづく