自分でマスクを外すのか、まず相手のマスクをとるのか
酒井 とくに高齢の方は、人と接しないでずっと家にいると心身ともに衰えそうですね。
斎藤 それが懸念されます。認知症予防のためにも、対人刺激を受けることは重要ですから。90歳になる私の父も、ひところかなり弱っていましたが、デイサービスに行くようになったら元気になりました。感染対策をしつつ、徐々に元の生活に戻していったほうがいいと思うんですけどね。
酒井 私はコロナ禍になってから、道などでちょっと人に接近されただけで怖いと感じるようになって。
斎藤 私もそうでしたが、いつの間にかそういう感覚が薄れてきました。だから一時的なもので、自然に元に戻るのではないでしょうか。いずれにせよ、このコロナ禍は「面と向かって人に会うとはどういうことか」を改めて考えるきっかけになったと思います。
酒井 誰かを好きになってチューをするにも、その前にマスクを外すという高いハードルが加わりました。
斎藤 一方で、口もとを覆っていたマスクを好きな人の前でとるだけで、ドキドキすることも加わったわけですから、いままでとは違う新鮮な感覚で向き合えるかもしれませんよ。
酒井 自分でマスクを外すのか、まず相手のマスクをとるのか、悩みそう(笑)。……って、この対談、そんな話で終わっていいのか、という気もしますが……。
斎藤 まあ、いいんじゃないですか。(笑)