親の多くが、わが子に「勉強好きになってほしい」と願っているはず。しかし、現実はといえばなぜか「勉強嫌い」に育つ場合がしばしば。そうなる原因の一つが「評価基準が成果主義に陥っているから」と主張するのが、中学受験専門塾「伸学会」の菊池洋匡代表。菊池さんいわく「子どもの評価は『成果』でなく『行動』に基づいてするべきで、行動を積み重ねるには『習慣化』が重要になる」とのこと。そして勉強を習慣化させるためには「ご褒美」の認識をあらためたほうが良いそうで――。
「ご褒美で釣る」のは悪いことではない
ご褒美について考えてみたいと思います。あなたはお子さんをご褒美で釣って勉強させることに、ネガティブなイメージを持っていませんか?
つまり、ご褒美で子どもの行動をコントロールすることへの罪悪感や、それがうまくいったとして、子どもがご褒美目当ての行動をすることへの嫌悪感などです。
確かに、そうしたネガティブな気持ちを持つことは間違いとは言いきれません。
ご褒美を与える場合に限らず、子どもを褒ほめることも叱ることも含めて、外的な力により行動をコントロールするのはベストなことではありませんよね。本当は、子どもが内発的な動機で自分から行動してほしいものです。
しかし、「内発的動機があれば人は行動できるか」と言えば、必ずしもそうとは言いきれません。「やる気はあった」「やったほうがよいと思っていた」それなのに行動できなかった……そうした経験は誰しもあるものです。
そう考えると、遠くの目標に向けて頑張るよりも、目先のご褒美(即時報酬)目当てのほうが頑張れるのであれば、うまく活用したほうが良いのです。