小栗旬さん演じる北条義時、大泉洋さん演じる源頼朝ら、権力の座を巡る武士たちの駆け引きが三谷幸喜さんの脚本で巧みに描かれるNHK大河ドラマ『鎌倉殿の13人』(総合、日曜午後8時ほか)。6月26日放送の第25回「天が望んだ男」では、前半最大のクライマックスとも言える鎌倉殿・源頼朝の落馬とその死が描かれた。一方、源平の争いから鎌倉幕府誕生まで、その行方を左右した「合戦」を中心に歴史をひもとく本連載、第六回となる今回は、北条氏を中心に血で血を洗うことになった御家人の権力抗争について。
13人の合議制に選ばれたメンバーとは
建久十年(1199)一月、源頼朝が死去し源頼家(よりいえ)が鎌倉殿(幕府の棟梁)となってから3カ月後、頼家は訴訟の採決を停止され、有力御家人が合議によって幕政を運営することが定められた。
「13人の合議制」と呼ばれる機関である。
メンバーは、北条氏から将軍の外祖父である時政と、頼朝の側近筆頭として「家の子専一の者」と称された義時。
挙兵の功労者である三浦一族から当主の義澄(よしずみ)と侍所初代別当の和田義盛。
頼朝の挙兵前からの側近である安達盛長と甥の足立遠元(とおもと)。
源義朝の落胤説もある八田知家(はったともいえ)。
そして頼家の岳父である比企能員(ひきよしかず)と乳母の夫の梶原景時。
朝廷との外交実務に欠かせない大江広元(おおえのひろもと)・三善康信・中原親能(ちかよし)・二階堂行政(ゆきまさ)ら京下りの官僚で構成された。
頼朝と頼家の近親者、武官・文官をそろえたバランスの良い人選といえる。