『家政婦のミタ』の脚本家によるドラマ
日本テレビの新連続ドラマ『家庭教師のトラコ』(水曜午後10時)が始まった。脚本を書いているのは遊川和彦氏(66)。11年前にこの放送枠でオンエアされ、最高世帯視聴率が40%に達した『家政婦のミタ』と同じである。
2つのドラマには共通点が複数ある。まず、ともに主人公が謎めいた女性で、他人の家に入り込む職業であるところ。また、家政婦と家庭教師で職業は違うが、ともにスゴ腕である。
訪問先の家族が問題を抱えている点も同じ。タイトルに主人公の名前と職業が入っているのも一緒である。
遊川氏は視聴者の待望論をよそに『家政婦のミタ』の続編は書かなかった。けれど『家庭教師のトラコ』はその後継的作品とも思える。最大の共通点はどちらも壊れかけた家族の再生を描いているところだ。
『家政婦のミタ』の主人公・三田灯(松島菜々子)の仕事ぶりは完璧。訪問先の阿須田家は父親の浮気とそれを理由とする母親の自死によって崩壊寸前だったものの、その再生までやってのけた。
一方、『家庭教師のトラコ』の主人公はトラコこと根津寅子(橋本愛)。受け持った子供は必ず志望校に合格させてきた。コスプレ好きで貯金が8201万3800円あり、高卒。それ以外のことはよく分からない。第1話では1人娘の私立小受験問題が発端となって、ヒビが入っていた家族の関係を修復した。