ほかの生徒も面倒な問題を抱えている

ほかの2人の生徒は、まず東大志望の上原守(細田佳央太)。両親はエリート銀行員・利明(矢島健一)と里美(鈴木保奈美)である。こちらは中村家より、ずっと面倒そうだ。

元ホステスの里美は利明の愛人だったが、正妻が亡くなったことにより、上原家に迎えられた。ところが、エリートである前妻の1男1女に見下される。利明も守にはちっとも期待していない。

里美は悔しい。守を東大に入れることで、3人を見返そうとする。突飛な考え方だが、分からなくもない。ただし、守自身にやる気がカケラもない。東大模試の結果は最低のE判定。前途多難だ。家族関係をつくり上げるのも至難に違いない。

最後の1人は公立小6年生の下山高志(阿久津慶)。大衆食堂を営むシングルマザー・智代(板谷由夏)に育てられている。かつては満男(丸山智己)という夫がいたが、離婚した。

満男は高志の親権がほしくてたまらない。そこで智代にある条件を突き付け、それを呑ませる。「高志が私立中を受験し、落ちたら、親権を自分に譲る」。智代は公立中で構わないと思っていたものの、トラコに頼らざる得なくなった。

高志は成績優秀。智代には「私立なんかに行かなくていい」と言っていた。だが、満男には「できれば地元の公立には行きたくない」と話している。どうやら地元公立中に行きたくない事情があるらしい。おそらく、いじめだ。トラコが解決するのか。

(写真提供◎photo AC)