私立小合格を目指す理由
トラコの教え子は3人。うち、第1話でクローズアップされたのは私立小への合格を目指す6歳児の中村知恵(加藤柚凪)。新聞記者・真希(美村里江)と玩具メーカー会社員・朔太郎(細田善彦)の1人娘である。
私立小入学は知恵本人が希望しているわけではなく、朔太郎も公立小で良いと考えていた。無理をさせたくなかった。私立小を強く望んだのは真希。これが家族に亀裂が入る理由となった。
真希が私立小を希望した理由が人間臭い。
「同窓会で、大学時代に『ノートを貸してくれ』って泣きついていた子が、自分の子を有名小に入れて、上から目線で自慢してんのよ。『6歳で人生決まることが分からない親はバカだ』って」(真希)
つまりは対抗心や見栄から。「くだらない」と笑い飛ばすのは簡単だが、程度の差こそあれ、対抗心や見栄のない人はいないだろう。受験に関しては特にそうであるはず。
朔太郎は知恵が不合格になった際に落胆することも心配した。真希だって自分のプライドを満たすためだけに私立小に拘り始めたのではなく、そのほうが知恵の将来のためになると考えた。どちらが正しいかは誰にも分からない。