1万円で幸せを掴むには

問題は、二人三脚で子育てに当たるべき夫婦の意見が真っ二つ割れてしまったこと。困惑する知恵に対し、トラコはこう教える。

「ママとパパはあなたに幸せになってほしいけど、その方法が違うの」(トラコ)

もっとも、知恵は幸せの意味すら知らなかったため、トラコはそこから教育を始める。知恵に1万円を与え、好きなように使わせた。

知恵はその金で玩具をたくさん買った。それが夢だったからだが、真希に思いっきり叱られてしまっただけ。落ち込んだ。

次に知恵は両親の願いをかなえることが自分にとっての幸せだと思い、真希を念願のハワイ旅行に行かせて、朔太郎の小遣いを増やそうと考えた。そのためにトラコから年利20%で1万円を借り、競馬に行く。真希からもっと叱られた。

幸せって何だろう? トラコの指導下で知恵は考え続けた。見つけた答えは、家族3人で一緒に楽しく過ごすこと。これは遊川氏の持論ではないか。