自分たちにとって大切ものを再確認する

知恵は3人で遊園地へ行き、流しそうめんを経験したことが楽しかったことを思い出し、家の中に流しそうめんを再現する。もちろんトラコが手配した。

知恵は真希と朔太郎に対し、こう持ち掛けた。

「また3人でやりませんか?」

6歳児から親への敬語。切なかった。幼児の敬語は大抵、特別な意味を持つ。この場合、家族関係を修復したいという強い思いが込められていたのだろう。

自分の受験問題がきっかけとなって、真希と朔太郎は離婚まで口にする派手な口げんかをした。子供はたまらない。相当な危機感を抱いていたはずだ。

知恵の思いは通じ、3人は笑顔で流しそうめんに興じ、自分たちにとって大切ものは何かを確認する。すべてはトラコの仕掛けだ。中村夫婦は私立小の受験は知恵本人の意思に任せることにした。

(写真提供◎photo AC)