ひとりで食べる時には「思い出」が最高の隠し味

私の好物は、焼き芋、おしるこ、ちらし寿司、とんかつ、「ゆかり」というふりかけ、みかんの寒天、葛湯などなど数え上げていたらキリがありません。

でもね、ひとりで食べる時には「思い出」が最高の隠し味。

『小さなひとり暮らしのものがたり』(著:みつはしちかこ/興陽館)

たとえば、焼き芋を見て思い出すのは母のことです。幼い頃、焼き芋屋さんが来ると二人でとんでいきました。焼き芋屋さんも心得たもので、我が家の前で「やきいも〜おいしい石焼き芋〜」と買いに出るまで待っていてくれました。

母と一緒にホクホクの焼き芋を頬張って「おいしいね」と笑顔で語り合った時のことを想うと、ホンワカとした温かい気持ちがこみあげてきます。