漫画家のみつはしさんは「ひとり暮らしでも料理をするのは楽しい」とおっしゃいます(写真はイメージ。写真提供:Photo AC)
60年以上にわたり、国民的ロングセラー『小さな恋のものがたり』を描き続けてきた漫画家・みつはしちかこさん。同書は1976年にはミリオンセラーとなり、77年に日本漫画家協会賞・優秀賞を受賞しました。そのみつはしさん、80歳を超えた今も、ひとり暮らしを続けながら現役で漫画を描き続けています。ひとり暮らしでは「料理をする気になれない」という声をよく聞きますが、みつはしさんは料理をするのが楽しくて仕方ないそうで――。

一人暮らしになっても

ひとり暮らしになったら料理をする気になれなくて……といった話をよく耳にします。確かにお料理というのは、楽しみにしている家族がいるからこそ、疲れていても、面倒くさいなと思っても奮起して作るということがあるでしょう。

でも食いしん坊な私には、ひとりになったからといって料理をする気になれないという時期はありませんでした。

毎日、ごはんを炊いて、お味噌汁を作り、その日の気分でお魚を焼いたり、お浸しを作ったり……。昔のように、カレーを大量に作ったり、おでんやお鍋をすることはなくなりましたが、寂しいとは思いません。さんざんやってきましたから。

それに私自身、和食中心の質素な食事を好むようになりました。おいしいごはんをひとりで食べるのだ、と自分のお楽しみになり料理しています。