父・寛仁殿下との思い出
酒井 オックスフォード大学へは、お父さまも留学なさっていますね。
彬子女王 はい。わたくしが幼稚園のときに初めて読んだ大人向けの本は、父のお書きになった留学記『トモさんのえげれす留学』でした。父に読みたいと申しましたら、漢字すべてにふりがなを振ってくださって。それで行きたいと思うまでになっていました。
酒井 素敵なお話です。今年の6月には、お父さまのコラムをまとめた『ひげの殿下日記』が刊行されました。彬子さまも編纂に携わられた中で、改めてどのようなご感想を持たれたでしょう。
彬子女王 父は「議論のできない子どもに興味はない」という方でしたので、幼い頃の父との思い出はあまりありませんでした。ですが、当時の文章を読むと、想像していたより娘たちの世話を焼いていらしたことがわかって。それは新たな発見でした。
酒井 議論ができる年頃になられてからは、どのようなお話を。
彬子女王 読んだ本のことから、役員を務める団体の運営、どういった場合に護衛官をつけるかなど、ありとあらゆることです。