私は漫画家になりたい!

その後は仕事先を転々と。映画会社に勤めて『ハエの一生』という作品を制作するためのハエ捕りを命じられて3日でやめてしまったり、次に入った会社では社長が怖すぎる人で1週間で逃げるようにしてやめました。その後はもっぱら新聞広告の求人欄で、漫画に関係ありそうな会社を探しました。

その頃は漫画のアニメーションというのは始まったばかりで、小さい会社ばかり! 

でもあちこちそれらしい会社を転々とし(潰れた会社もありました)、やっと日本アニメーションという会社に落ち着きました。一番下っぱの色ぬり係です(色ぬりといってもその頃まだカラーテレビは無かったので、黒から白まで10くらいのグレーのグラデーションの絵の具をぬるだけという、しごくカンタンな仕事でした)。

ま、漫画に近い仕事だったし、職場はいい人ばかりで楽しかったけど、毎日毎日グレーの絵の具をぬっていて……ふと思い出したのです。

”そーだ! 私は漫画家になりたいのが夢だった!”。

それから、私は暇な時に自分の漫画を描いていました。通りかかった部長がひょいと覗いて「うまいねー」と言ってくれたような。すごく寛大な会社だったのです。