奇跡的に連載が始まった『小さな恋のものがたり』
やがて「この作品をどこかに売り込もう!」と意気込んで、『美しい十代』という雑誌に狙いを定めることに。
編集部に電話をして、学習研究社という出版社へ乗り込みました。ところが私の作品を見た『美しい十代』の編集長から「これのどこが面白いのか僕にはサッパリわからないな」と言われてしまったのです。
ガックリと肩を落としていたその時、たまたま通りかかった経理のオジサン風の男性が、ヒョイと私の漫画をのぞき込んで「こりゃ傑作だよ!」と編集長に向かって言ってくださった。まさに奇跡的な展開でした。
私が経理のオジサンみたいだと思った人は、『美しい十代』の元編集長、下野さん。いわばとっても発言権のあるお方だったのです。
こうして1962年、4コマ漫画『小さな恋のものがたり』の連載が始まりました。