青春の心を失わない限り、片思いは見つけられる

今はあんなにガムシャラな片思いではないけど、毎日の小さな片思いを見つけては心の宝箱にポイポイ入れ続けています。私の宝箱はどんどん大きくなってます。

思い出といったって、今朝、重い荷物を届けてくれた宅配便のお兄さん。

「重いですよ、どこに置きましょうか?」と、すごく感じよかった。名も知らないけど、あのお兄さんにも小さな片思い。私の宝箱にちょいと入れておこう。

夕方、たそがれの空に見つけたおぼろな三日月も、ほんのり桃色でキレイだったなー。そうそう、昨日、だれかが贈ってくれた入谷の朝顔市からの朝顔の鉢植えにも、ときめきの片思い。

いくら年をとってもね(恋はムリかもしれないけど)、人は片思いが出来るのですよ。

自分が青春の心を失わない限り、自分の片思いは見つけられます。素通りしないで、なげかないで、自分を捨てないで、自分だけの宝もの、あなただけの片思いを見つけましょうよ。

※本稿は、『小さなひとり暮らしのものがたり』(興陽館)の一部を再編集したものです。


小さなひとり暮らしのものがたり』(著:みつはしちかこ/興陽館)

80年生きても、人生まだ片思い中。チッチとサリーの初恋を描き続けて60年。作者が打ち明ける、ひとり時間の楽しみかた。「人生後ろ向き。心のアルバムを開けば、明日を生きる力がわいてくる」国民的ロングセラー『小さな恋のものがたり』を描き続けてきた漫画家・みつはしちかこ。 ひとり暮らしで今も現役で描き続ける作者の、日常の楽しみと片思いの喜びをつづった、描きおろしエッセイ集。