子どもなしの人生も“絶対あり”

そんな状態だったので、不妊の不安は常にありました。ただ、ほしいと思い過ぎるのはプレッシャーになってよくない、忘れた頃にできると言われていて、私自身は「どっちでもいい」と思うようになっていました。子どもができたら嬉しい、でも、夫婦ふたりで仲良く暮らしている友達を見ていると、子どもなしの人生も“絶対あり”というスタンスでした。

妊娠がわかったのは、ドラマの撮影が早く終わった日のこと。ガソリンスタンドに寄って、受け取ったレシートの日付を見てビックリしたんです。そういえば生理が遅れすぎていると。実は、ちょっと確信犯で、これだけ条件が揃ってできなければマズイと思っていたのに、忙しくてすっかり忘れていたんですね。

家に帰って、検査薬で調べたら、1秒くらいですぐプラスが出ました。その少し前、妊娠したかと思ったら、ただの生理不順でガッカリしたばかりだったので、この“プラス”をどんなに夢見ていたかと、信じられない気持ちでした。夕食にトンカツ弁当をおいしく食べたのに、わかった途端にムカムカしちゃって。(笑)

この事実を、誰より先に主人に言いたくて電話をかけると、病院に行ってハッキリするまでは、落ち着こうって。

主人とは、私の体の話はいつもしていたので、つらそうにしているとすごく心配してくれていました。だけどやっぱり男の人ですから、どういう痛みか、どういう不安なのかはわからないですものね。

でもこの間、人に「うちの奥さんは子宮に病気を抱えていたから、子どもができて本当によかったです」と言っているのを聞いて、「へえー、そんなこと思っていたんだ」と思いました。