重い生理痛と思っていたら
結婚してから、子どもができるまでは複雑な心境でした。実は私、高校生の頃から子宮内膜歴を抱えていたんです。
突然、起きあがれないくらいの痛みに襲われたのは17歳のときです。それまで生理痛とは無縁でした。4歳から14歳までずっと水泳をやっていて、生理中もまったく平気で泳いでいたのに、その日はお腹にも腰にも激しい痛みを感じて、起きあがるのもつらかった。それからは生理のたびに、激しい痛み、眠気、過食などの症状が出てました。まさか病気とは思いませんから、「これが生理痛なんだ」と思っていただけでした。
何年も我慢していましたが、日常生活に支障をきたすほどひどくなって、とうとう病院に行きました。でも先生に、「まだ発育段階にある体だから、よくありますよ」と言われ、私も「ただ生理が重いだけ」と思ってしまいました。その後もずっと放置していて、26歳のとき、ドラマの撮影現場であまりの痛みに立ちあがれなくなってしまったんです。病院に行ったら、「子宮内膜症が、進行しています」と言われ、そのまま入院しました。
卵巣にまで血液が逆流していて、「これは1年、2年の話じゃないですよ。相当痛かったでしょう」と。こんな状態では現場に戻せない、とお医者さんに言われたときはホッとしました。ドラマの現場は役者がいないと進まないので、病院に行っても必ず帰ってきてほしいと言われます。「何時間後に帰ってこられますか」と言われては、休まらない。
ところがそのときは、ドクターストップがかかってしまったから、仕方ないですよね。まだそんなに大事だという実感はなかったので、「あ―、これで2、3日は思いきり眠れる」と思ったものでした。
子宮内膜症は、排卵のときに出るホルモンの一種が大好物で、生理がある限り進行する皮肉な病気です。だから、生理を止めてしまう治療法が効果的です。擬妊娠療法は太ったり、肌が荒れたりするから、「人前に出るあなたには向かない」と言われ、私は擬閉経療法をしました。ところが、副作用が強く、思いきり更年期障害が出てしまったのです。