2022年9月11日、東京・両国国技館で始まった大相撲九月場所。先場所は「敵は新型コロナウイルスにあり」、合計13部屋が休場となってしまった。今場所は無事乗り切れるのか? 横綱・大関・小結のバトルも楽しみな今場所、朝青龍が見つけた逸材はどうなる?など見どころは満載。『婦人公論』愛読者で相撲をこよなく愛する「しろぼしマーサ」が今場所もテレビ観戦記を綴ります。
前回「13部屋の力士が休場、新型コロナと闘った大相撲名古屋場所。大混乱のなか平幕の逸ノ城が堂々と初優勝。強い2大関が復活」はこちら
コロナを無事うっちゃれるか
大相撲秋場所が東京・両国国技館で始まった。
初日恒例の八角理事長の協会ご挨拶には、土俵に横綱・照ノ富士と3大関、3関脇、そして小結の阿炎が怪我で休場したのは残念だが、2小結が並び、土俵の上は一杯だった。
横綱・照ノ富士は優勝できるか?先場所、コロナの影響で途中休場のためカド番を今場所に持ち越した大関・御嶽海はどうなるか?先場所優勝の小結・逸ノ城は連覇するか?など見どころが多すぎる。
しかし、先場所の「敵は新型コロナウイルスにあり」という状況で、合計13部屋休場の悪夢を思い出すと、「最後までコロナの影響を受けなかった力士が優勝する」という予想しか頭に浮かばない。コロナによる途中休場の力士が続出し、伝統ある大相撲番付表のデザインが、今場所は変わるかと心配したが無事だった。初日のNHKテレビの大相撲放送の中で、太田アナウンサーが「番付を決める会議が通常3時間なのに6時間かかった」と伝えていた。私は親方たちの激論のため、働き方改革を無視した徹夜会議になると予想していたので、6時間で済んで良かったとすら思った。
初日の幕内の相撲は、見ごたえのある取組が多かった。
コロナにより中止されていた巡業が復活した効果があったのかもしれない。
出稽古も許可されているので、照ノ富士は荒汐部屋に行き、関脇・若隆景を稽古に指名したそうだ。横綱が登場したので、部屋の力士全員が大緊張したことだろう。
「横綱、サインしてください」なんていう力士はいなかったと思う。