渡航の規制緩和を行ったにもかかわらず、来日観光客が少なかったという報道を目にしたマリさん。団体のツアー旅行者に限定されていることを知ると”人生における黒歴史”となった、ある引率旅行の思い出が頭をよぎり――。(文・写真=ヤマザキマリ)

団体旅行に参加する傾向が低い欧米人

この6月、日本政府は海外から日本への渡航の規制緩和を行ったにもかかわらず、1ヵ月後の時点で日本に入国した観光客の数はわずか1500人だったそうだ。

観光目的で訪れる場合は団体のツアー旅行者に限定されていることが、その大きな理由として考えられる。

基本的に欧米人は、移動や到達が難しい地域への旅でもない限り、団体旅行に参加する傾向は低いように思う。

特に日本のように治安も安定し、足りないものがあっても何とかなるような先進国であればなおさらだ。

彼らにとって旅というのは自由の象徴であり、団体としてのルールを守りながら他人と一緒に朝昼晩行動できるような人はそう多くはない。