珍しく夫が話しかけてきたので、何かあったのかなと耳を傾けると――(写真はイメージ。写真提供:photoAC)
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夫の「優しさ」に疑問符

日曜日の夜、友人との旅行から帰ると、ちょうど夫もゴルフから帰ってきたところだった。珍しく夫が話しかけてきたので、何かあったのかなと耳を傾けると、「オレ、肺がんなんだ。旅行中だったから連絡しなかった」と告げられた。

専門医からは、がんのステージについて画像付きで説明を受けたそうだ。夫は保険会社勤務のためこうした状況に慣れているのか、淡々と話を進める。仕事を続けながら検査入院することや、大好きなゴルフは続けること、お墓はペットと入れるタイプにすることとか……。

突然のことに動揺して涙が出てきた私には、「泣いてもしょうがない」とピシャリ。そして、自分が死んだ後の生活費について、こう言った。

「今までのようにはいかないから、婚活してお金持ちと再婚したほうがいいよ。綺麗なうちならなんとかなるだろうから。オレがあと数年生きたとして、そこからの婚活は厳しいでしょ。年を取ってから生活苦のために働くなんて無理だろうし」

これって、優しさなのか? と疑問に思った。私はパートで事務の仕事をしているが、がんばって時給を上げてもらわねば。結婚相談所の入会金は、夫に出してもらうつもりだ。


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