役替わりならではのおもしろさ

花の街ヴェローナ。
代々憎しみあってきたキャピュレット家とモンタギュー家。
そんな両家の対立をよそに、モンタギュー家の若きロミオと、キャピュレット家のジュリエットは仮面舞踏会で出会い、恋に落ちます。

ヴェローナの政庁舎。オープニングの場面はこのあたりではないかと思われます

若きロミオは、この公演でトップに就任した龍真咲さんと、
二番手の明日海りおさんの役替わりでの公演でした。
かわいい我が娘ジュリエットは、愛希れいかさん。

主役のダブルキャストは、宝塚ではめずらしい事です。
どうなることかと思いましたが、
二人のカラーが違いすぎて、同じ芝居でも全く違って見えました。
それを受けて、ジュリエットも、まわりも変わっていくという
役替わりならではのおもしろさがありました。

龍真咲さんのロミオは、行動的でエネルギッシュに攻める若さ溢れるロミオ。
明日海りおさんのロミオは、静かな美しさの中にも情熱のあるロミオ。

そして父は思うのでした。

「やんちゃすぎて話にならん!世の中を知りもせんと楽しい事ばかりに精を出すやつなんぞに、私の娘をやるわけがない!」

「何を考えているのかわからないようなやつに、ましてや敵にくれてやるわけがなかろう。本当にうちの娘を好きなのかもわからないようなやつに、娘は渡さん!」

ロミオが変わるたび、父の怒りも違うものになっていました。