でもそれは夫の夢を手助けしているわけで、私が本当にやりたいことなのか、と問われればちょっと違う(笑)。せっかくなら100%自分のための夢を探したいじゃないですか。自分のことを後回しにして家族のために頑張ってきた女性が、子どもの巣立ちなどを機に夢を探すというのは、そう簡単なことじゃないのかもしれません。

今回、娘たちを育ててきた日々を本に書く機会をもらったので、昔を振り返るために写真やビデオを引っ張り出しました。見返すと、当時の自分に戻ったようで涙が止まらなくなりましたが、2人の巣立ちとともに、人生に一区切りをつけることができた気がします。

ちなみに、私の知るハイチの男性のほとんどは私の父親世代の日本人によく似ていて、妻に対する愛情表現が乏しいんです。アメリカに住んでいても、夫は「愛してる」などと普段口にしません。

でも去年くらいからかな、あまりにも妻に対して無茶ばかりしてきたと気付いたんでしょう。それまで一度も開けたことなどないのに、急に車のドアとか開けてくれるようになったんです。この急に焦る感じも、日本の定年男性に似ていますよね。でも初めてやるからすごくぎこちないし、慣れていないからすぐに忘れる。(笑)

これからの人生は「私のもの」と思っていろいろなことにチャレンジしつつ、まずは夫に振り回される日々から一歩踏み出すことから始めてみようかな、と思っているところです。

【関連記事】
大坂環「娘・なおみが家を出て、寂しくて毎日泣いた。娘2人をプロテニスプレイヤーにすると決めて、家族4人で目的地だけ見て走ってきた20年」
大坂なおみ発言で考えるトップ選手のメンタルヘルス。田中ウルヴェ京が「期待されている自分になるな」と言う理由
大坂なおみ選手の愛読書は「先達・アガシの自叙伝」。一流選手とマスコミの戦いを読む