「自分のことを後回しにして家族のために頑張ってきた女性が、子どもの巣立ちなどを機に夢を探すというのは、そう簡単なことじゃないのかもしれません。」

女性が50代から夢を探す難しさ

こうして娘たちはそれぞれの人生を歩み始めました。これまで家族のために働きづめだった私は、正直これからなにをしたらいいのかがわからない(笑)。ハイチ料理を紹介したい、レストランをやってみたい、とか構想はいろいろあるけど、真剣に模索しています。

夫は新しい目標に夢中です。彼は大阪時代から、ハイチの貧しい家の子どもたちが通う幼稚園を建てるボランティアグループを始め、乏しい家計から1万円、2万円と送金していました。その活動が実を結び、いまでは小さなコミュニティのようなアカデミーができて、幼稚園や学校、子どもたちが住む大きな寮が完成しました。

テニスコートも何面もあり、将来はプロテニスプレイヤーを輩出するのがマックスの夢。すでにアカデミーから男の子を一人、大阪の高校にテニス留学させています。

ボランティアの学校経営って、本当に大変。何百人という子どもの面倒をみるには資金がいくらあっても足りません。私もハイチへ同行しては、できる範囲の手伝いをしているので、確かにやることはいくらでもあるんです。