夫人が自らデザインしたお墓。奥のお墓に両親と弟、自分が入り、右手に歴代の愛犬たちが眠る

お墓は、私と両親と弟、それからともに暮らしたワンちゃんたちが一緒に入れる場所をずいぶん前に確保しています。デザインもあちこちの墓地を見て、ほぼ固まってきました。中央奥の墓石には「愛」という字。右手にはワンちゃんたちのお骨を入れる場所があります。その上の本のような彫刻には、歴代の子たちの名前を刻む予定です。

さらに、私とワンちゃんたちの写真をレリーフ彫刻した墓石も建てて。そういう彫刻が上手な方が中国にいらっしゃるの。彫刻のもとになる写真はもう撮ってあるんですけど、みんながカメラの方向を向いてくれなくて、ホント大騒動でした。なにせ今も、17匹おりますから。

すでに亡くなったワンちゃんのお骨はすべて残してあります。今いる子たちはなるべく私が看取り、最後に私がこのお墓に入れればいいですね。

日当たりがとっても良くて、自分が永久に休めるところはここだな、と思える場所なの。そんな居場所のイメージを持って終活するのは、案外良いものじゃないかと思いますよ。

ただなんの不満もないわけではありません。たとえば岡本太郎さんのお墓は、一目見ただけで岡本太郎さんそのもの。墓石に短歌を刻んだ与謝野晶子夫妻もそう。だから私は、小さいパレスを建て、ロマンティックなものにしたかったのです。でも、墓地のご住職に突飛なものにしないでほしい、と言われてしまって。墓地全体の雰囲気もあるでしょうから、現在のデザインに妥協しました。

場所もデザインも決まっていますけど、まだ手をつけていません。というのも、お知り合いの方が数人、自身で作ったお墓が完成した途端、亡くなっているの。安心してポックリ逝っちゃうのかしらね(笑)。私はまだしたいことがあるので、計画段階で止めています。

夫のスカルノ大統領は生前、トルストイのお墓に感銘を受けていたんですよ。広大な森の中央にある大きな木の下に、緑の草に覆われた小さな盛り土があるだけの、シンプルなお墓。自分のお墓は、木の下に自然の石を置いて「ここにブンカルノ(我が兄弟スカルノ)眠る」と刻んでくれ、と頼まれました。結局それは叶わず、ジャワスタイルのお墓になってしまいましたけれど。