本当にそこまでの働き方が必要なのか
このように中高年の転職市場がうまく機能していない要因には、求職者側と受け入れ企業側の双方に課題がある。
そして改めて当事者の観点でこの問題を振り返ってみたとき、現役時代の延長線上での働き方を本当に生涯を通じて続けていかねばならないのかということについては、一人ひとりが現在の自身の状態や家計の状況と向き合いながら熟考する必要もあるだろう。
なぜなら、再三述べているように、定年後の家計は、定年前の家計とその様相をがらりと変えるからである。
他者との競争に打ち勝って、名のある企業で高い役職を得るというキャリアを一心に追い求め続ける人は多いが、定年後もそうした働き方を追い求めることが本当に自身にとって望ましいことかと考えると、実はそこまでの働き方は必ずしも必要ではないということも多い。