人は、知らない病気に必要以上に悪い印象を抱く

しかし、実際の認知症は大きく異なります。認知症に悪いイメージをもっている人は、認知症のことをよく知らないから、そのような思いこみを抱くのだと思います。

人は、知らない病気に必要以上に悪い印象を抱くものです。

典型例は新型コロナウイルスです。この感染症が社会に現れ始めたとき、世界はパニックに近い状況になりました。日本でも、身近な場所で感染クラスターが生じれば、うわさが広まり、差別に近いような現象が見られることもありました。

『80代から認知症はフツー ─ ボケを明るく生きる』(著:和田秀樹/興陽館)

しかし、こんなに忌み嫌っていた新型コロナも、それについての知識が増えていくと、冷静に対処できるようになり、感染者数が以前より多くても、多くの人は平気で外出するようになりました。

”慣れ”もあるのでしょうが、知識を得れば人は必要以上に怖がることがなくなるのです。

認知症も同じだと思います。この病気のことをよく知れば、多くの人はきっと「ただの老化現象の一つだ」と気づくはずです。認知症のことをよく知り、その備えをきちんとしておけば、無用な不安を抱えることなく、たとえ自分が認知症になっても人生を充実させ楽しむことができるでしょう。