「どうしてできないの?」と逆に聞き返されて

そんな思いが、取材で訪れたブラジルで動物保護施設を運営するグレン・グリーンウォルドさんと出会ったことによって変わり始めます。

著名なジャーナリストでもあるグレンさんに、「どうして動物保護活動とジャーナリストの仕事を両立できるのですか?」と尋ねたら、「どうしてできないの?」と逆に聞き返されて。「どんな仕事に就いていようと、人としてやりたいことをやっていいんだよ」という言葉が心に響きました。

グレンさんを取材した番組『家族になろうよ』の司会をゆり子さんにお願いしたところ、「ホントに私たち、何かできないかしら?」と再び持ちかけられて。それが19年の2月。その後も収録スタジオやオンライン、LINEで、私たちに何ができるかについて話し合いを重ねてきました。

21年7月公開の映画『犬部!』で私は脚本を担当したのですが、この映画を通じて、保護犬や保護猫の診療を積極的に行っている「ハナ動物病院」の院長・太田快作さんの存在を知ったことで、飼い主のいない犬や猫の医療費を支援することならできるのではないかという着地点をみつけます。

そんなある日、ゆり子さんから「私、本を出版します。あとがきで印税は全額寄付すると宣言したから」と連絡がありました。「どこの団体に寄付するのですか?」と尋ねたら、「何を言っているのよ! 一緒にやろうって言ったじゃない!」って。(笑)