●宝川温泉(群馬県利根郡みなかみ町)
温泉の歴史は古く第12代景行天皇の御代、日本武尊が東国征伐の折、この地に立ち寄り武尊山(ほたかやま)に上った時、病に伏せられた。
供奉の方々は途方に暮れていたが、折しもその時、遥か下界の谷間より1羽の白いタカが空高く飛び立つのを見て、何事かとその地に赴いてみると、ほのかに立ち昇る一条の湯煙とともに温泉が湧き出ていた。
これは神明のご加護の霊泉と大いに喜び、尊(みこと)をこの霊泉に案内申し上げ、ご静養をお薦めしたところ、尊の病はたちまち全快された。
そこで尊は勇んで吾妻耶山(あづまやさん)に向かってご進発されたという伝説が残る。この発見伝説から、以前は「白鷹(はくたか)の湯」と呼ばれていた。