(写真提供◎写真AC)
貧困家庭に生まれ、いじめや不登校を経験しながらも奨学金で高校、大学に進学、上京して書くという仕事についたヒオカさん。現在もアルバイトを続けながら、「無いものにされる痛みに想像力を」をモットーにライターとして活動をしている。ヒオカさんの父は定職に就くことも、人と関係を築くこともできなかったそうで、苦しんでいる姿を見るたび、胸が痛かったという。第23回は「オンラインによるコミュニケーションについて」です。

直接話したい! と渇望する私

オンラインが苦手だ。
時代に逆行していることはわかっている。
でも、とにかく苦手なのだ。(と言いつつライター業はフルリモートだが)

私はコロナ禍にライターになった。
だから、編集者と一度も顔を合わせることなく、なんなら電話やオンラインで話すことすらなく、仕事のやり取りをすることがデフォルトになった。
特にライター1年目、2020年は緊急事態宣言が出たり、身動きがとれないような日々が続いた。取引先である出版社も軒並みリモートワークとなり、挨拶をかねて一度会う、ということすら、かなわない状況だった。

オンラインも苦手だが、テキストはもっと苦手だ。
あくまでメールでのやり取りは補助的なもの。でもそれがコロナでコミュニケーションの主要なツールになった。

一度も顔を合わせなくても、テキストだけでスムーズにストレスなく仕事ができることももちろんある。
でもそれは、テキストでも的確に情報を伝える、あらかじめ齟齬が生じないよう、先回りしてワンクッション入れるような配慮をする、なにげない世間話を文面に織り交ぜる、などのお互いの歩み寄りや努力無くしては絶対に不可能。

実際がどうかはおいといて、テキストではすごく事務的で寡黙、というタイプの人とは、やはりどうしてもディスコミュニケーションが生じやすい。
テキストでは相手が何を考えているのか、どんなニュアンスでそれを言っているのか、温度感が非常に伝わりにくい。相手にそんなつもりがなくても、とても冷たく聞こえたり、キツく聞こえたりする。不要な傷つきやモヤモヤが生まれるのが嫌すぎて、あぁ!もう直接話したい!!!と思うことがある。