コロナ後遺症も慢性炎症が原因だった?

慢性炎症は、急性炎症がきっかけで始まることもあります。風邪が原因でのどに急性の炎症が起こった場合、風邪が治ればのどの炎症はおさまります。

けれど、喫煙や飲酒、大気汚染などにより、のどの急性炎症を繰り返していると、炎症がくすぶり続け、慢性上咽頭炎(まんせいじょういんとうえん)や慢性扁桃炎(まんせいへうとうえん)を引き起こします。同じ場所に何度も異物による刺激が加わって、何度も炎症を起こすうちに、炎症が慢性化してしまうのです。

実は、コロナ後遺症も、慢性炎症が関係しているのではと考えられています。

通常は、コロナウイルスに感染して急性炎症が起き、免疫細胞がウイルスを退治できれば炎症がおさまり、体が回復しますが、なんらかの理由で炎症が慢性化してしまうと、ウイルスが検出されなくなっても、体調不良が続いてしまうのです。

私のクリニックにも、コロナ後遺症だと思われる症状の患者さんがたくさんいらっしゃいますが、倦怠感(けんたいかん)や息切れ、ブレインフォグ(頭に霧がかかったようにぼんやりしてしまい集中できない、普段はしない物忘れをするなどの症状)、微熱、嗅覚や味覚の異常、うつ症状など、症状は人それぞれです。

このほか、アトピー性皮膚炎やアレルギー疾患、関節リウマチなどの「自己免疫疾患」と言われる病気も慢性炎症による病気です。本来、体を守るはずの免疫機能が自分の体までも攻撃してしまい、長期間、炎症が続いてしまって発症します。

※本稿は、『名医が教える 炎症ゼロ習慣 ~体内年齢が10倍若返る~』(飛鳥新社)の一部を再編集したものです。

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