考えてみたら、役者の仕事っていびつなものです。怒ったり叫んだりする姿を第三者に見せるなんて、普通はしません。やっぱり「演技」だからできるんでしょうね。発する言葉もあくまでもセリフであって、僕の気持ちを吐露しているわけじゃない。
そういう意味ではミュージシャンってすごいなと思います。何を思い、何を感じているか、歌に乗せてたくさんの人へ届けているわけですから。人前で素の自分の感情を爆発させる勇気は、僕にはありません。
僕は台本を読み解くのがとても好きで、普段はできるだけ台本に忠実に演じることを心がけています。ただ今後の課題として、もう少し想像力や発想力を養いたいなと考えていて。
僕は日頃から空想とか妄想といったことをほとんどしないので、アイデアを思いつくことがあまりないんです。キャラクターに沿ったアドリブを上手に入れている人を見ると、すごいなあと思います。
同世代には素敵な役者さんがたくさんいますが、なかでも『映画 賭ケグルイ』で共演した森川葵さん、矢本悠馬さんの発想力は素晴らしい。2人の芝居を見ていると、僕も頑張らなくてはと思います。