妖艶な表情の破壊力

また、表情の振れ幅にいつも驚かされる。
シーンごとに表情や纏うオーラさえがらりと変わるため、本当に同じ人物なのかと思うほどだ。
きっと、場やシチュエーション、テーマに合わせ、完璧に完璧にチューニングしているのだろう。

あるときはあどけない少女のように、クリアで純真な雰囲気。
あるときはこの世のかっこいいを集めたような「紳士」として、色気のある、妖艶な表情を見せたりする。ワックスで髪をバックに固め、くっと表情を締めてキリっと前を見据えた時の破壊力たるや。凄まじいものがある。

「ドリーム・オン・アイス」などのアイスショーで披露している「マスカレイド」というプログラムがある。
冒頭、手足をだらんとおろし、プラプラと揺らした後、グローブをはめた片手で顔の半分を覆うシーン。その瞬間、会場の歓声は割れる程に膨れ上がりこだまする。

顔の半分を隠しているのに、色気はなぜか増し増しで全開。私も思わず喀血しそうになった。危ない危ない。
致死量の魅力・破壊力に、倒れる人がでないか毎度心配になる。

ヒオカさん収集、羽生結弦が一面を飾った新聞紙面(写真提供◎ヒオカさん)