消化器外科医・温泉療法専門医であり、海外も含め200カ所以上の温泉を巡ってきた著者が勧める、温泉の世界。安心して、どっぷりと浸かってみてください。
※本記事は『秘湯マニアの温泉療法専門医が教える 心と体に効く温泉』
(佐々木政一、中央新書ラクレ)の解説を再構成しています。
※本記事は『秘湯マニアの温泉療法専門医が教える 心と体に効く温泉』
(佐々木政一、中央新書ラクレ)の解説を再構成しています。
カリによる温泉発見の由来や伝説
歴史ある温泉の多くには、開湯にまつわる発見伝説が存在する。温泉を見付けたのは鳥獣や高僧、武将、日本神話の神など多種多様で、中には複数のエピソードを持つ温泉も。
真偽のほどはさておき、日本各地に残る鳥獣による温泉発見の由来や伝説を紹介しよう。
●岩室(いわむろ)温泉(新潟県新潟市西蒲区岩室温泉)
正徳3年(1713)、庄屋・高島庄左衛門の夢枕に白髪の老翁が立ち「村はずれの老松の下の岩石の間に霊泉があり、これに浴すれば、諸病和らぐ」と告げた。
そのお告げの通りに探すと、1羽の傷ついたカリが泉流に浴して傷を癒していた。
この発見由来にちなみ、「霊雁(れいがん)の湯」とも呼ばれていた。