ベテラン選手は「戦う姿勢」を求める
このときのチームには「戦う姿勢」を求める選手がたくさんいました。長谷部さん、永嗣さん、(本田)圭佑くん……。
コロンビア戦前の選手ミーティングで圭佑くんが話した言葉はよく覚えています。
「こういう大きな大会で勝敗を分けるのはディテールになる。あと一歩足を出すこと、最後に体を投げ出して止めること、きつくてもスプリントをもう一回すること。しっかりと準備をして、ここぞというときにそのプレーを出して、1点を取る、守る。そういう戦いになる」
数々のビッグトーナメントを戦ってきた圭佑くんが「最後に大事なもの」として指摘したものは間違いなく「戦う姿勢」でした。
だからこそ佑都くんは違う役回りに徹したのだと思います。
戦う姿勢を備えた日常を作る中で、厳しいだけではないチームの雰囲気も必要だ。だから、あえて金髪にし、メディアの前で笑いを取り、ポジティブな「メンタリティ」を作っていこうとしていたのだと思います。
カタールワールドカップアジア最終予選の佑都くんと、ロシアワールドカップ前の佑都くんの言動にはそんなすごさがあったと思います。
※本稿は、『DUEL(デュエル) - 世界に勝つために「最適解」を探し続けろ』(発行:日本ビジネスプレス 発売:ワニブックス)の一部を再編集したものです。
『DUEL(デュエル) - 世界に勝つために「最適解」を探し続けろ』(著:遠藤航/ワニブックス)
ドイツで伝説と呼ばれ、2年連続「デュエル勝利数1位」、遅い移籍――。「不可能」だと思われたことをことごとく覆してきたのがサッカー日本代表の遠藤航だ。世界でも屈指のフィジカル能力を誇るリーグ・ドイツのブンデスリーガで2年連続「デュエル勝利数1位」(1対1の対決)を記録。なぜ遠藤航はこれまで不可能だと思ったことを可能にできたのか。正解を作らず「最適解」を探してきたその哲学と、遠藤が選び、決断したことを赤裸々に告白する。