武士には2階層あった

おそらく武士に2階層があった、とぼくは考えています。

Aグループは京都の朝廷と連関を持ち、官職を与えられていた上級武士。Bグループは一所懸命タイプ。自分の土地を守ることに注力していて、京都との連関を失っていき、官職を得ていない在地武士たち。

ああ、この時の官職というのは、追捕使とか押領使とか留守識とか、その国で生まれて全国では通用しないようなものは除外です。国司など地方官や、検非違使少尉など警察官僚ですね。

Aグループの人は源氏だろうが平氏だろうが、将軍になれた。つまりBグループの人たちが「主人」として認めることができた。

鎌倉幕府が倒れたとき、人々は足利尊氏に「私たちの主人になって欲しい、将軍になって欲しい」と期待を寄せましたが、それは彼がAグループの中でも最有力だったから。

万が一、尊氏が戦場で不慮の討ち死にを遂げたとしても、新田、小笠原、武田、佐竹などは将軍になれたんじゃないかな。

ですからドラマ内でも北条時政は「平賀朝雅を将軍に」と画策したのです。