「いいケアマネの噂は、口コミで広まります。役所に行ってもそういう情報は教えてもらえないので、介護経験のある近所の方やお知り合いに聞くといいでしょう。」(長谷川先生)

長谷川 それはラッキーでしたね。在宅で看取る場合、訪問診療と訪問介護が毎日のように入ります。その交通整理ができないケアマネも多い。そういう場合、本人には申し訳ないけれど、私からお願いして別の人に替えてもらうこともあるんですよ。

岩佐 頼もしいです! 私は運よくめぐり合えましたが、実際はどうやって探すのがよいのでしょうか。

長谷川 いいケアマネの噂は、口コミで広まります。役所に行ってもそういう情報は教えてもらえないので、介護経験のある近所の方やお知り合いに聞くといいでしょう。

岩佐 私は「認知症の人と家族の会」と「若年性認知症家族会」に参加していますが、勉強家の方が多く、貴重な経験が集積されていると感じます。信頼できる専門医やケアマネの情報も得られますし。私が母を自宅で世話することができているのは、ケアマネさんや専門家、友人、家族に加え、家族会の仲間の存在も大きいですね。

長谷川 家族会を見ていると、最近は介護を担う男性が増えたと感じます。ただ、男性は真面目に取り組みすぎる傾向があるんです。なかには毎日何時に便をしたかといったことまで、こと細かく記録する方もいる。もちろん世の中には、自分の親御さんの世話を妻に任せっぱなしの呆れた夫もいますが……。

岩佐 男性の場合、両極端になりがちかもしれませんね。

長谷川 一所懸命になりすぎると、世話される側が窮屈に感じることもあります。できないことをプロに頼る、場合によって施設入居を選択するのは、決して悪いことではありません。むしろ本人のためにもなるので、介護保険サービスは積極的に使っていただきたいですね。