最後に、人生に悔いはないか、満足しているか伺ってみた。

「90年の人生、まったく後悔はない。自分の能力でやるべきことはやったつもりだ。人からもぎとった金はない、もぎとられたことはあるが。恥ずかしい生き方はしていないよ」

「なんとか天命を全うしたいとは思うけれども、こればかりはどうにもならないね。
あれ? 近頃、末吉さんを見ないね。どうしたんだろう。……訪ねてみたら、もう亡くなっていた。まあ、そんなふうな死に方がいいと思ってるんだ」

 

※本稿は、『過疎の山里にいる普通なのに普通じゃないすごい90代』(著:池谷啓/すばる舎)の一部を再編集したものです。

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過疎の山里にいる普通なのに普通じゃないすごい90代』(著:池谷啓/すばる舎)

過疎化が進む山里。しかしここには、鉄人のような90代の元気な高齢者がたくさんいた──。88年、1日もか欠かさず日記を書く。和紙作り、鍛冶など職人技を守り続ける。99歳で毎日、自身の商店に立ち、仕入れから販売まですべて一人でこなす。軽々とチェーンソーを操り、木を伐る……。登場するのは、一見ごく普通のおじいさま・おばあさま。けれども、普通ではないお元気さ。その健康長寿の秘訣は何なのか?各人各様の人生を紐解きながら迫っていく。「人生100年時代」の希望の書。