「北条義時追討」が意味していること

ということになると「北条義時を討て」という一文は何を示しているのか?

これは「義時が君臨している鎌倉の武士の空間を滅ぼせ=鎌倉幕府を倒せ」というにほかなりません。

かりにそうでなかったら、なぜ後鳥羽上皇は、京都守護を務めている伊賀光季を討伐したのか? 義時個人を討つことと、京都守護を滅ぼすことは直接関係ないわけですよね。「伊賀光宗の妹が義時の妻・のえだから」ではちょっと無理があります。

さらに、大江広元の長男・親広はなぜ上皇軍に加わって承久の乱に参加したのか? 親広は「言うことを聞かねば討つぞ」と脅されて上皇軍に加わったわけですが、義時の娘を妻にした親広が、義理の父親を討たねばいけない理由もありません。