ノセボ効果でネガティブな予想が実現することも

プラセボ効果は心が体をコントロールしていることを示している。心の状態は食物に対する体の反応にも影響する。ある興味深い研究では、被験者に甘いジュースを飲ませた。一方のグループには糖分を多く含むと告げ、もう一方のグループには、逆のことを告げた。

すると、どちらも同じジュースを飲んだのに、グループによって体の反応は異なっていた。糖分が多いジュースを飲んだと思った人々は、低糖度のジュースを飲んだと思った人々より血糖値が急激かつ大幅に上昇したのだ。

『寿命ハック――死なない細胞、老いない身体』(著:ニクラス・ブレンボー 訳:野中香方子/新潮社)

この例は、プラセボ効果の裏面を語っている。プラセボ効果にはノセボ効果という邪悪な双子がいて、そちらはネガティブな予想が実現することを指す。好例としては、被験者の遺伝子診断を行って、健康状態を左右する遺伝的要因を告げる研究だ。

研究者たちは一部の被験者に「あなたには不健康になる遺伝的要因がある」と告げた。すると、そう告げられた人々は逆のことを言われた人々より健康診断の結果が悪かった。