2つめの体温は、環境によって変化する「皮膚温」。体の深部の熱が筋肉、脂肪を通ってジワジワと到達。あるいは皮膚の血管を流れる血液を介して伝わってきた熱が皮膚温になります。

実は、皮膚温は暑くも寒くもない環境では33℃前後が一般的で、手足の先(末端)はそれより低いことが多いのです。先ほど深部体温は人による温度差がほぼないと言いましたが、皮膚温は筋肉や脂肪の量により個人差が出やすいのが特徴です。

33℃前後と聞いて驚いた方も多いかもしれません。体温を測ったときに36℃前後になるのは、測定する腋の下や舌下が、深部体温の温度に近いからなのです。

ところで、よく「平熱が低い人は冷え性」と言う人がいますが、平熱と冷え性に因果関係はありません。そもそも人間の体温は、1日の中でも1℃前後変化するもの。環境やストレスなどでも容易に変動するため、正しい平熱を知ることは困難で、36℃台ならよい、35℃台は悪いということはないのです。

むしろ大切なのは、自分の体温の比較。深部体温が0.2℃変動すると、末端の皮膚温は2℃前後変わると言われるほど差が生まれやすいため、普段に比べて体温が上がっているか下がっているかに注目してください。

下がっている場合は、深部体温が下がっている、あるいは脂肪が増えたり、代謝が落ちたりしているサインです。