イラスト:曽根愛
温かいものを食べたり飲んだり、厚着をしたりしても体が冷える。それは、熱を生み、全身に巡らせる機能が低下しているからかもしれません。
(構成=島田ゆかり イラスト=曽根愛)

「深部体温」「皮膚温」の2種類がある

寒い冬は、いつにも増して冷えが気になりますね。それ自体が病気というわけではないため、体質だとあきらめている人も多いのではないでしょうか。「何十年も冷え性です」という人もいるかもしれません。

けれど冷えは、頭痛や肩こり、腰痛、関節痛などの痛みを引き起こし、不眠、慢性疲労などのだるさ、便秘・下痢、むくみ、アレルギー、免疫力低下も誘発します。また、それらのストレスでうつになるリスクもあるのです。

ですから、「仕方ない」と放置せず改善したいもの。大事なのは、体内で熱が発生するメカニズムを理解して、熱を巡らせる体づくりを心がけることです。

それを説明する前に、まずは人間の〈熱源〉である「体温」の仕組みについて説明しましょう。

体温には、大きく分けて2種類あります。1つは、体の中心部の温度である「深部体温」。臓器の働きを守るため温度は安定しており、37℃前後に保たれています。万年冷え性という人でも、深部体温が極端に低いということはありません。