仲良くなった男子生徒のその後

話がかなり逸(そ)れてしまった。2000年代にメロコアがいかに若者の心をつかんでいたか、というエピソードである。

さきにも書いたように、このメロコアの熱は2008年の高校3年生においても継続されていた。ハイスタとかブラフマン、あるいは海外のグリーン・デイやオフスプリングといった、僕と同世代の友人が高校時代に熱中していた固有名は、2008年の高校生においてもじゅうぶん通用するものだった。

ところで、その仲良くなった男子生徒はそれなりに狼藉を働いていたようで、まったく模範的な生徒ではなかった。さきほど「軽音部に所属していた」と過去形で書いたのは含みがあって、僕と出会ったときに高校3年生だった彼は、そのときすでに軽音部を退部していたのだ。

聞くところによると、文化祭の打ち上げかなんかで飲酒をしたらしく、停学処分とともに退部をしたとのことだ。卒業後に訪ねてきてくれたことがあったが、そのときの話によれば、彼は当時、仲間とともに酒とタバコとスケボーを楽しんでいたらしい。学食で議論していた僕の友人とまったく同じような高校生活だ。