(写真提供◎達つかささんさん 以下すべて)
宝塚歌劇団が1月26日、宙組の退団者を発表。15年組長を務めた寿つかささんも、6月11日で退団することがわかった。1990年に入団、宙組発足メンバーの一人で、「すっしい」の愛称で親しまれ、幅広い役柄を円熟の演技力で表現した寿さん。妹の達つかささんは先に宝塚を退団、元タカラジェンヌのサポートをしている。達さんが姉のこと、第二の人生を語った記事を再配信します。


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1914(大正3)年に誕生した宝塚歌劇団。108年目を迎えた現在、日本でもっともチケットがとりにくい公演として人気を博している。「清く正しく美しく」をモットーとする彼女たちは、タカラジェンヌとして活躍したのち、「専科」に残る以外は卒業=退団を迎えることになる。芸能界に入る、一般企業に就職する、結婚する、ビジネスを始める、資格を取る…夢の世界のその後の人生をどう生きているのか? 宝塚で得た宝物を、卒業生に聞いた。(構成◎吉田明美)

タカラジェンヌの歩む第二の人生とは

オーケストラの生演奏で、華麗な衣装を身にまとったタカラジェンヌたちが繰り広げる宝塚歌劇。ファンにとっては、永遠の夢の世界。それだけに、彼女たちは夢を壊さぬよう、命を懸けてその世界を創り上げる。しかし、夢の時間を過ごしたのち、彼女たちは皆「退団」という決意をすることになる。特殊な世界を生き抜いたタカラジェンヌの歩む第二の人生とは――。

今回登場するのは、79期生の達つかささん。1993年から2002年まで在団し、男役として活躍、現在は、さまざまな舞台の司会者を務めるとともに、フィットネススタジオのアドバイザーとしても活躍中。2016年には自身の会社を立ち上げるなど、第二の人生を楽しんでいる。

姉妹には同じ経験をさせなくては…

姉は今でも現役のタカラジェンヌ、現在宙組組長の寿つかさです。姉とは2歳違いで、小さいころから一緒にバレエを習っていました。姉は小学生の頃から背が高く、中学3年の時にバレエの先生から宝塚音楽学校の受験を勧められたんです。

いったんはバレエをやめてバレーボールばかりやっていた姉ですが、そこからバレエを始めとするいろいろなレッスンをがんばって、見事、一発合格。その姿を見た両親が、姉妹には同じように経験させたほうがいいだろうということで、結果はどうあれ、レッスンだけは受けさせてくれました。そして、高校生の時に受験したら運良く合格。でも、そこからびっくりするほど厳しい音楽学校生活が待っているとは思いませんでした。(笑)

私は姉と違って、引っ込み思案で恥ずかしがり屋。みんなの前で大きな声を出すのは苦手だし、つらかったんです。でも、そんなことは言っていられないほど、必死になるしかなくて、音楽学校の2年間で「やるしかない」と吹っ切るメンタルは鍛えられました。

 

タカラジェンヌ時代の達つかささん。ご本人所蔵のプロマイド