戦争という行為は圧倒的な狂気を帯びている

それに加えて、考慮しなければならないことがあります。

先に、現代では戦力と見なされない人に武器を向けるのは御法度だ、と書きましたが、それはあくまで表向きのこと。まさに今、ウクライナでは罪もない老人、女性、子どもたちが犠牲になっています。

我が国においても、太平洋戦争では、沖縄で多くの民間人が落命しました。列島の主要な都市は爆撃を受け、東京大空襲だけで10万人にのぼる被害が出ています。当然、原爆投下も忘れることはできない。

でも、こうしたことだってアメリカは、無差別な攻撃だとは認めてない。戦争を終わらせるのに軍事拠点を壊滅することが必要だったので、それに対して攻撃を行った。非戦闘員の命を奪う目的があったわけではない、と強弁するのです。

いや、いまさらアメリカに恨み言をぶつけたいのではありません。そうではなく、戦争という行為は、罪無き人々を犠牲にして恥じない、圧倒的な狂気を帯びているのだ、ということを強調したいのです。