死にも等しい屈辱に耐えた瀬名を見て、本郷先生の頭をよぎったのは「戦さを始めるのは男性、犠牲になるのは女性」という言葉だそうで(写真提供:イラスト AC)

松本潤さん演じる徳川家康がいかに戦国の世を生き抜き、天下統一を成し遂げたのかを古沢良太さんの脚本で巧みに描くNHK大河ドラマ『どうする家康』(総合、日曜午後8時ほか)。第4話では、信長(岡田准一さん)が待つ尾張・清須城へ向かった松平元康は、信長から再会のあいさつ代わりに相撲の相手を強いられます。さらにくせ者・木下藤吉郎(ムロツヨシさん)や信長の妹・市(北川景子さん)を紹介される中、盟約を結ぶ代わりに驚くべき条件を提示され――といった話が展開しました。

一方、歴史研究者で東大史料編纂所教授・本郷和人先生が気になるあのシーンをプレイバック、解説するのが本連載。第23回は「戦争の狂気」について。この連載を読めばドラマがさらに楽しくなること間違いなし!

戦さを始めるのは男性、犠牲になるのは女性

前回の瀬名さん、本当に気の毒でしたね。

元康の妻・瀬名さんは、愛する我が子や関口家の人々を守るために、当時の女性の感覚からしたら死にも等しい屈辱に耐えていました。

演じていらっしゃる有村さんが可憐なだけに、見ているのが辛かった。戦さを始めるのは男性、犠牲になるのは女性、という言葉が頭をよぎりました。