感覚を磨くいいトレーニング
子どもと遊んでみるのもいいかもしれません。子どもは私たちと前提をまったく共有していません。
大人が当たり前だと考えていることも全然知らないし、興味ももっていない。そういう人たちにうまく伝えるのは、感覚を磨くいいトレーニングになります。
やってみると、伝わらないものです。向こうの言っていることもよくわからない。
子どもは大人みたいに、理屈をこねくり回したり、余計な修飾語をべたべたつけたりしません。言葉もシンプルに発します。
こちらを忖度(そんたく)したり手加減したりしてくれませんから、いい訓練になるでしょう。
※本稿は、『ものがわかるということ』(祥伝社)の一部を再編集したものです。
『ものがわかるということ』(著:養老孟司/祥伝社)
ものがわかるとは、理解するとはどのような状態のことを指すのでしょうか。
養老先生は子供の頃から「考えること」について意識的で、一つのことについてずっと考える癖があったことで、次第に物事を考え理解する力を身につけてきたそうです。
養老先生が自然や解剖の世界に触れ学んだこと、ものの見方や考え方について、脳と心の関係、意識の捉え方について書き下ろした一冊。